教育関係の法律

教育基本法

日本国憲法の根本理念である主権在民、基本的人権の尊重、平和主義の精神のもと、学問の自由と教育の機会均等が上げられている。憲法の精神を体現する国民を育てていくための基本理念として教育基本法がある。 教育基本法は、上記の精神に加え、男女平等教育、学校教育、社会教育、政治教育、宗教教育、更に制度としての教育を支える行政の役割について基本的な姿勢を規定している。

学校教育法

学校の設置者を規定し、子どもの発達段階に応じた、国や地方公共団体、法人の設置する学校について、その目的と設置者が負う義務、教職員組織などの基本的な基準を定めている。更に、各学校段階での具体的な学校組織運営の手続き・心身障害児童も含めた就学義務とその手続きなどについて学校教育法施行規則・同施行令で規定している。

学校保健法

学校に在籍する児童生徒及び教職員の、健康および学校の保健に関しての基準を示している。健康診断をはじめ学校が配慮すべき心身の健康管理のあり方とともに、学校保健に関わる学校医等専門職についての記載がある。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)

公教育を支える行政のあり方について書かれており、教育委員会の組織と役割、職務権限、教育機関、地方公共団体の教育委員会と文部科学大臣の関係などについて規定している。教育機関の条文に「条例で、教育に関する専門的、技術的事項の研究または教育関係職員の研修、保健若しくは福利厚生に関する施設その他の必要な教育機関を設置することができる」があり、この条文が各自治体の教育センター、研究所、適応指導教室などの設置根拠となっている。

 

司法関係の法律

少年法

少年法は1948年に公布、最近は2000年に一部改正。目的は「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年及び少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずる」とされている。また内容としては、少年非行を行状もしくは行為から3種類に分けて規定しているほか、少年保護事件や成人及び少年の刑事事件の手続き、調査や審判など多くを規定している。

少年院法

少年院法は1948年に公布、最近は2000年に改正。少年院と少年院送致となった少年に対して、「家庭裁判所から保護処分として送致された者及び少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十六条第三項の規定により少年院において刑の執行を受ける者(以下「少年院収容受刑者」という。)を収容し、これに矯正教育を授ける施設とする」と規定しており、第4条で矯正教育とは、「在院者を社会生活に適応させるため、その自覚に訴え紀律ある生活のもとに、教科並びに職業の補導、適当な訓練及び医療を授けるものとする」と規定されている。

刑法

刑法は明治40年に公布、最近の改正は2005年。刑法は、適用される対象や刑罰の種類などを規定している法律である。犯罪行為者が責任能力者(刑法上の責任を負える能力をもっている者のこと)であることを用件とするため、第39条で心神喪失もしくは心神耗弱とされた場合、無罪もしくは軽減された刑罰が科されることになっている。また、重大犯罪の場合、心神喪失者医療観察法により再犯予想を求められることがある。

 

福祉関係の法律

児童虐待防止法

この法律は、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護のための措置等を規定したもの。児童虐待の防止等に関する施策を促進することを目的として制定され、虐待児童の早期発見による保護や親権の一時停止などについても定められている。

児童福祉法

この法律は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援するためのもの。

関連相談機関の1つである児童相談所(第15条)や被害者を居住させ保護する施設の1つとして考えられている母子生活支援施設(第38条)などについても規定されている。

DV防止法
(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)

被害者がさらなる配偶者からの暴力及び身の危険を感じる場合に、地方裁判所への申し立てによって、その配偶者が被害者の近くに来ることを禁止させることができる。

被害者の保護のための法律である点が特徴であり、加害者を罰するための法律ではない。配偶者暴力相談支援センターでは、被害者の相談にのる・一時保護を行う・自立支援や保護命令についての情報提供や援助を行う等と明記されている。

精神保健福祉法
(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)

精神障害者の医療及び保護と共に、福祉施策についてかかれている。

それまで医療の対象とのみとらえられていた精神障害が、障害者基本法(1993)により福祉の対象となった。これを受け、精神障害者の福祉施策の充実や「自立と社会経済活動への参加促進」を目標に掲げて、精神保健法(1987)が精神保健福祉法へと改正。

具体的には、精神障害者保健福祉手帳の発行が明記。また、地域生活が円滑にできるよう精神障害者生活支援センター・居宅介護等事業・短期短期入所事業が明記(1999)。その他、精神保健福祉センターを都道府県に必ず設置すること(1999)、等が規定されている。

 

(例)

・通院公費負担制度:通院治療に必要な費用の100分の95に相当する額を都道府県が負担する制度がある
・入院の形態

任意入院:本人の同意に基づく

医療保護入院:医療及び保護のために入院が必要の場合、保護者の同意があれば入院させることができる

措置入院:自傷他害の恐れのある患者に対し、都道府県知事または指定都市市長の権限で行われる

応急入院:緊急を要し、保護者の同意を得ることができない場合、本人の同意がなくても72時間を限りに入院させることができる

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